【あべの・天王寺】温かいお蕎麦をしみじみ味わえるお店【かけ】

出典:kurodaさん

【あべの・天王寺】温かいお蕎麦をしみじみ味わえるお店【かけ】

お出汁の利いた温かい掛け汁のお蕎麦は、冷たいお蕎麦とは別の滋味深い味わいがあります。あべの・天王寺周辺で、出汁の利いた温かい蕎麦の佳店を集めてみました。深い味わいの「おつゆ」でいただく蕎麦と料理で、じんわり・ほっこりしてみませんか?

更新日:2024/03/26 (2018/06/15作成)

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このまとめ記事は食べログレビュアーによる501の口コミを参考にまとめました。

「おつゆ」が決め手

 一般的に関東は蕎麦文化、関西は饂飩文化とされ、大阪でも饂飩が主流で、蕎麦は影の薄い存在でした。しかしこのところ、大阪でも「挽きたて・打ちたて・湯掻きたて」にこだわる本格的なお蕎麦屋さんが増えてきて、十割や二八で薫り高い蕎麦を提供し、そのレベルも年々高まっています。
 江戸っ子は、冷たい蕎麦を「そばつゆ」にチョンと浸けて、ズズっと手繰るのが粋とされています。しかしお出汁にこだわる関西では、今でも温かいお蕎麦が喜ばれます。お出汁の利いた温かい掛け汁(関西では「おつゆ」という)でいただくお蕎麦は、ほっこりと心が満ち足ります。
 あべの・天王寺周辺で、出汁の利いた温かい蕎麦の佳店を集めてみました。深い味わいの「おつゆ」でいただく蕎麦と料理で、じんわり・ほっこりしてみませんか?

そばよし 阿倍野店

そばよし 阿倍野店

 「あべのnini」の1階、旭通りに面した所にあるお蕎麦屋さんです。
 暖簾をくぐると左右に客席があり、左はテーブル席のみ。右はテーブル席と、厨房に面したカウンター席があり、全部で50席ほどです。室内ははクラシックな和風で、落ち着いた雰囲気を創りだしています。

「かちんそば」に「五目セイロ飯」

そばよし 阿倍野店

 ランチの日替りセット(880円)は、おそばとセイロ飯のセットになっています。この日は「かちんそば」と五目セイロ飯。お蕎麦は冷・温が選べるのだが、ここでは温かいお蕎麦がお薦めです。
 「かちん」とはお餅のこと。深めの器に入ったおそばに揚げ餅が浮かんでるシンプルなもの。そば粉に胡麻を打ち込んだ「胡麻切りそば」なので黒い色合いが特徴的です。手繰ってみると、滑らかな口当たりながら、適度な歯ごたえもある。
 おつゆは昆布と鰹でまろやかあっさり。蕎麦の風味が出汁に染みていて、自然と食道を流れていきます。テーブルに置いてある柚子胡椒や柚子七味も入れると、ドラスティックに味が変わります。

そばよし 阿倍野店

 五目セイロ飯は鶏そぼろに筍、椎茸、人参、豌豆などがたっぷりで、ご飯もふっくら蒸し上がっています。
 ふっくらご飯と味わい深いお蕎麦のセット、その滋味深い味わいは心にしみじみ沁み渡ります。

冨士屋 天王寺MIOプラザ館店

冨士屋 天王寺MIOプラザ館店

 「天王寺ミオ」プラザ館4階にある、昭和30年創業の、天王寺を地盤として盛業しているお蕎麦屋さんです。
 店内は100席ほどのテーブル席が並ぶかなりの大箱。最近リニューアルされたようで、綺麗になっています。

春の味覚「あさりのせいろご飯」と「はまぐりのお蕎麦」

冨士屋 天王寺MIOプラザ館店

 「あさりのせいろご飯とはまぐりのお蕎麦」(980円)は、温かいお蕎麦の入った器と蒸篭が並んでいます。
 はまぐりのお蕎麦は、小ぶりながらたっぷりのはまぐりが浮かんでいます。おつゆは鰹や昆布の出汁がベースだが、ここにハマグリのエキスが存分に滲み出ています。この風味はいいですね。身体にも優しそう。
 蕎麦は細目で、更科ほどではないが淡い色をしています。つるつるとした艶やかな風合いで、歯触りも良好ですね。

冨士屋 天王寺MIOプラザ館店

 せいろご飯にも一面にアサリが散りばめられていて、口に含むとアサリのふくよかな旨みが広がってくる。表面に散らされた胡麻の風味がやや強力に押し出してきます。
 ターミナル駅の直上という便利な立地にあることから、常に賑わっているお店です。

信州庵

信州庵

 「あべのアポロビル」の地下1階にあるお蕎麦屋さんです。ここは関西の各地で展開しているコーヒーショップの「クレバー」が運営しているお店です。
 店内は真ん中に対面式のカウンター席とテーブル席から構成され、全部で40席ぐらいです。

おそばと天ぷらとかやくご飯

信州庵

 「天ぷら定食」(820円)は、お蕎麦と天ぷら、そしてかやくご飯がセットされています。
 おつゆを啜ってみると、お出汁に蕎麦の風味がしっかり移っていて、もともとの出汁の旨みとかけ合わさって実に旨い。シメジ、ニンジン、梅形の練り物が載っていて見た目にも華やかです。

信州庵

 かやくご飯は薄味でさっぱり。値段が値段なのでそれほど期待していなかった天ぷらは、さっくりサクサク。特にエビがプリプリとして美味しいですね。
 全体的にソツがない仕上がりで、際立ったところこそないが、値段なり、あるいはそれ以上の品質だと思います。

なかの家 あべのハルカスダイニング店

なかの家 あべのハルカスダイニング店

 「あべのハルカス」の13階レストラン街にある和食のお店です。
 店内はテーブル席や掘りごたつ式の半個室が並ぶ全124席。窓際の席なら谷町方向の展望が得られます。

おそばと朝引若鶏の親子丼

なかの家 あべのハルカスダイニング店

 親子丼とうどん・そばとのセットになった「朝引き若鶏親子丼定食」(1,243円)は、トレイの上に親子丼とおそば、そして3種の小鉢ものが並びます。
 おそばは塗りの器に満たされてます。蕎麦は歯切れの良い食感を持ち鰹の利いた出汁は実に旨い。おそばの出汁にこだわるのは大阪らしさの表れです。

なかの家 あべのハルカスダイニング店

 親子丼のてっぺんには青葱が散らされていて、丼に匙を入れると玉子はふわっ・とろっとした仕上がり。味付けも薄味の上品なもの。朝引きという鶏肉は大ぶりで量も充分。噛めば独特の香ばしさが広がってくる…意外な力強さを保っています。

美々卯 あべのハルカスダイニング店

美々卯 あべのハルカスダイニング店

 「あべのハルカス」の13階にある、淀屋橋日本店がある大阪の有名料理店です。
 美々卯といえばやはり登録商標の「うどんすき」。昭和3年に先代の薩摩平太郎が考案したというこの「うどんすき」は、いまや大阪を代表するお料理のひとつとなっています。
 店内はテーブル席が並ぶ全60席ほど。少人数の宴会に使える様な個室もあるようです。老舗らしい落ちついた和のインテリアとなっています。

饂飩のイメージが強いが祖業は蕎麦

美々卯 あべのハルカスダイニング店

 季節限定メニューの鱧天丼セット(1,400円)は、メインの鱧天丼とともに、温かいお蕎麦、お漬物、デザートがセットされています。
 セットのおそばは…美々卯といえばうどんのイメージがあるが、実は蕎麦が本業なんですね。大阪らしい昆布出汁がメインのおつゆに、淡白で 艶やかなおそばが泳いでいます。具は湯葉というのも風情があっていいですね。やや柔いが品がある。

美々卯 あべのハルカスダイニング店

 丼は徳利に入った丼汁をかけていただきます。鱧は衣がサックリ、身はフワフワ。鱧特有の微妙な甘みを感じさせる上質の風合い。丼汁は甘みを抑えた上品な仕上がりです。野菜はなんきん、茄子、しし唐など。
 ウサギのキャラクターが愛らしいこの美々卯、今や東京や名古屋でもお店を出すようになった。お店が大きくなっても、安易にセントラルキッチンに頼らず、各お店での調理にこだわる姿勢が味を落とさない秘訣なんでしょうか…老舗の気品がただよっている佳店ですね

石臼挽蕎麦 弦

石臼挽蕎麦 弦

 近鉄・大阪阿部野橋駅に直結、各線・天王寺駅の直近。「あべのハルカス」の12階レストラン街「大坂通」にある蕎麦店です。
 店内中央にカウンター席代わりの大テーブル席、その右側が2人から4人のテーブル席。左側には個室にもなりそうな仕切られた空間があり、こちらにもテーブルが並んでいる全部で46席です。

河内鴨ときのこのおそば

石臼挽蕎麦 弦

 「河内鴨入りきのこそば」(1,320円)は、大ぶりの鴨肉とともに椎茸、シメジ、エノキが乗り、刻んだ人参とミツバが散らされています。お汁を啜ってみるとやや甘めの仕上がりで、節系の風味がふわっと広がってきます。
 鴨肉は分厚くカットされていて、断面はほんのりローズピンク。噛み締めると鴨肉特有の濃厚な風味が広がります。これは流石の河内鴨ですね。

石臼挽蕎麦 弦

 蕎麦は滑らかな仕上がりで、そばの風味はそんなに強くはないが、するっと胃に収まる感じです。秀逸な出し味と相俟って、癒し系のおそばに仕上がっています。

丼丼亭 近鉄あべのハルカス店

丼丼亭 近鉄あべのハルカス店

 あべのハルカス近鉄本店のデパ地下、「あべの市場食堂」と称する軽食堂街にあるお店です。店内は複雑に入り組んだカウンター席と少しばかりのテーブル席、合わせて40席足らずです。
 ここはグルメ杵屋の運営する丼業態のお店。各種丼物をリーズナブルな値段で提供してくれています。

CP良好の「上天ぷらそば」

丼丼亭 近鉄あべのハルカス店

 ここでは麺類だけの注文も可能です。「上天ぷらそば」(1,060円)は、そばと天ぷらが別盛で、しかも天つゆがあるので、そばと天ぷらをそれぞれで味わうことができるのがいいですね。
 天ぷらは海老、イカ、穴子、茄子、ピーマンといった構成。特筆すべきは海老で、身は大ぶりで肉厚。プリプリした食感を存分に味わえます。

丼丼亭 近鉄あべのハルカス店

 そばは鰹の利いた味わい深いお出汁に歯切れのいい蕎麦が沈み、蕎麦の風味が出汁に滲み出ていて上品な風合いに仕上がっています。浮かんだ柚子の皮がいい香りです。
 天ぷらをお汁にダイブさせると、食感の変化が楽しめるとともに、お汁に油が落ちて一層コク深くなります。これが天ぷらそばの醍醐味かな。

※本記事は、2024/03/26に更新されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。

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